個人事業主が300万円の融資を受けられた話
ワンストップビジネスセンター 青山本店の会員様より、日本金融公庫にて創業融資を受けられたお話を聞かせていただきましたので、こちらでご紹介させていただきます。
法人化して会社を設立せず、個人事業主でも融資は問題なく借りられます。
以下、弊社会員のH様よりいただいた文章です。
僕は個人事業主として活動して2年目の新米ですが、なんとか生活できる収入も得られているので、今まで融資の検討は頭にありませんでした。
(恥ずかしいことに独立してから貯金はできていませんが。苦笑)
今回融資を検討し始めた理由としては、①新しい事業を始めるにあたり資金が必要になったこと、②万が一の事態にそなえて余裕のある資金確保の必要性を感じ始めたことです。
何かやりたいサービス、事業があっても、資金不足で手をつけられない場合もあります。今回の新事業はどうしてもチャレンジしてみたかったので、資金作りのために融資を検討しました。
また、僕の場合、フリーランスで活動しているため自分が働けなくなったら収入がゼロになってしまいます。
それでも家族を養っていく義務がありますので、怪我や事故など自分が働けなくなってしまう最悪のケースも考えて、余裕のある事業資金を確保すべきかなぁとも考えるようになりました。
日本政策金融公庫に訪問する前に僕が感じていた不安
・融資=借金じゃない?万が一返済できなくなったらどうしよう・・・
・会社じゃなくても融資って受けられるのかな?
・融資の面談って固そう・・
・スーツ着て面談しなきゃだめ?笑
・審査に落ちて借りられなかったらどうしよう
楽勝に融資を受けて新しい事業はじめて大儲け!と楽観的な気持ちにはなれず、ネガティブイメージを多く抱いていました。
大学時代にバイクを買いたくて学生ローンにお金を借りに行った時でさえ緊張しまくりだった自分です。
結果的に学生ローンは借りられましたが、簡単な申請方法なのによく分からず受付のお姉さんにあきられるほど聞きまくりました。
(ちなみにそのお姉さんとは一緒に飲みに行く仲にまでなったので、悪い思い出ではありません。笑)
そんな自分に事業資金の融資なんておりるのか?というのが素直な疑問でした。
けど、新事業はスタートしたかったですし、自己資金では始めることができなかったので、ビビりながらも日本政策金融公庫に連絡をして、書類を用意し、申請しました。
< 融資の手続きの流れ >
1. インターネットから申込手続き
2. 必要書類などの案内。公庫から、必要書類・書類ご提出先などについてご連絡いただけます。
3. 面談
< 日本政策金融公庫の方に言われて用意する書類 >
・日本政策金融公庫の創業計画書フォーマット(エクセル)
・預金通帳(公共料金、家賃の支払いに使用しているもの)
・借入金(住宅ローン、車ローンなど)があれば、毎月の支払い額、借入金残高のわかるもの
・不動産の賃貸借契約書
・賃貸物件の説明書、見積もり(物件取得費用が融資の目的であれば)
・家賃や事務所の領収書(僕の場合はバーチャルオフィスの契約書)
・運転免許証やパスポートなど身分証明書
・所得税領収書(前年)
・投資先があればその見積書(HP制作、物件取得、設備など)
僕は審査に落ちることにビビっていましたので、周りの経営者、起業家の方々に話を聞きアドバイスをいただいて、追加資料を自分自身で用意しました。
ようは、「返済能力があるやつ」と信用されるための資料を用意する必要があるということですね。
自分で「事業用口座」も作っていたのですが、こちらも真剣に事業を行なっている証明になったようなので、作っていて良かったと思いました。
ちなみにこちらのページを参考にしながら銀行口座開設の準備を進めましたが、バーチャルオフィスでも問題なく、新規の事業用口座が開設できました。
< 自分で用意した追加資料 >
・事業の収支計画書
・資金繰り表
・経営計画書
です。
資料をデータにしてメールで送ると、数日後に公庫の方から面談日程を決める電話がきました。
日程を決めて、いざ、面談です。
真冬なのに緊張で脇汗を書きながら日本政策金融公庫の東京中央支店へ
面談当日の格好はシャツにスラックス。
スーツ着用は言われませんでしたので、普段はゆるい私服で仕事をしている自分は、清潔感がある格好だけ意識しました。
ガチガチにスーツで行くと「ぜひとも融資おねがいします!!」って下から攻めて行く感じになりそうだったので、強気の姿勢で、「とりあえずシャツだけ着用」で面談しました。(どうでもいいことです。)
受付でアポイントをお伝えして、パーテーションで仕切られた面談スペースに案内され、担当の方と面談でした。
僕的に、完全個室で公庫の方々が数人いる(就職活動の面接のような)と想像していたので、この時点で少しだけ緊張はほぐれましたね。
< 面談内容 >
・現在の事業説明
・今までの職歴と仕事内容について
・融資の目的(資金の使い道)
・提出資料の内容について
現在の仕事でどのくらい稼ぎがあるか、今までの仕事と現在の仕事の関連性(スキルを活かせているのか)、数年先までの収入見込みなど、返済能力があるか見極めるための質問が多くありました。
また、当たり前ですが資金の使い道についても詳しく聞かれます。
事業として成り立つのか、利益をしっかりつくれるのかを判断して融資をするべきなのかをチェックされます。
今回の僕の場合は、資金300万円の使い道を以下のようにしていました。
・物件取得費用 100万円
・ホームページ制作費用 100万円
・広告費用 100万円
・・・
再提出になりました。笑
< 再提出になった問題点 >
①物件や設備など「これから決めます」はNG
物件は候補であり、確定していませんでした。「家賃はこのくらいで、良い物件をこれから見つけようと思いますー。」って感じだと、相手にしてくれません。
物件、購入する設備を決めて、その見積書とあわせて資料を用意する必要があります。
②HP制作費用がざっくりしすぎ
ホームページ制作も同様に見積もりがなかったのと、「本当に100万円のHPが必要なんですか?」と突っ込まれました。笑
はじめから見積書を制作会社に作ってもらって、内訳をしっかり説明できるようにするべきでした。
③数字にリアルさが足りなかった
数字は細かく聞かれます。収支計算書、資金繰り表の数字はざっくりではなく、赤字や黒字もほぼ正確に、リアルな数字で作成されることをおすすめします。
また売上計上をどのタイミングにしているのか、取引先がいくつあって、それぞれからトータル収入の何パーセントをもらっているのか、なども細かく聞かれます。
そのほかにも、自分のステータスについても質問されます。持っている口座すべての貯金額、家賃、ローンがあるかなど聞かれます。
自分を良く見せようと数字をごまかして、実際より事業がうまくいっている風にするのはやめたほうがいいです。
良く見せる<真実を伝える、ことのほうが重要です。
リアルな数字でそのままお伝えして、自分を信用してもらったほうがいいです。
「お金が足りないから貸してってきたんじゃないか!」と恥ずかしがらずに強気でいきましょう。笑
書類を修正して、無事に再提出完了!
書類の再提出は郵送でOKでした。
また面談するのかな?と気にしていましたが、再面談はありませんでした。
その後、数日後に電話がかかってきて、
「融資が通りましたので、お振込させていただきます。」
ということ。
融資金額は、3営業日後に指定の口座へ振り込まれました。
書類を再提出して受理され、受け取りの電話をいただき、融資の連絡をいただいたのはその2、3日後だったと思います。
・・・
え!?早っ。笑
こんな感じで、面談を終えてから、融資の可否の連絡、資金の振込までは結構スピーディーにしてくださる印象です。
申請から融資を受けるまでの時間は、3週間程度でしょうか。
僕の場合、書類の再提出があったので、はじめから書類に不備がなければ、早くて2週間程度で融資をしてもらえそうです。
気になる融資額は・・・
融資金額の減額はなく「300万円」の融資が通りました。
金利は1.86%
公庫で融資経験のある方々に聞くと、金利に関して初回で1%台はかなり良いということです。
金利は事業がしっかり利益をつくれるか、返済能力のレベル、など色々な基準によって、人それぞれのようですね。
最後の手続きをして、入金を待つ!
融資が通って公庫から契約書が速達で送られてきて、以下の書類を返送し、受理されれば融資額が指定の口座へ入金されます。
< 提出する契約書類 >
・借用証書
・印鑑証明書(金銭消費賃借契約手続き用)
・送金先口座の預金通帳のコピー
・収入印紙
・預金口座振返用届(金融機関で口座確認印を受ける必要があります)
まとめ
法人だろうと、個人事業主だろうと、必要書類を揃えて、融資をしていただくための照明ができれば、融資を受けられることがわかりました。
実際に経験した僕から言えることは・・・
・資料は用意されたものだけではなく、必要であれば自分・事業をわかってもらえる書類も追加で用意する。
・面談では強気の姿勢で。
「え?なんで僕にお金貸さないんですか?こんな良い事業に融資しないなんてどうかしてますよ。」くらいの気持ちでいいんじゃないかと。笑
・嘘はつかない。口座の明細もしっかりチェックされますので、貯金額や借金などもリアルにお伝えしたほうがいいです。
・自己資金ゼロは無理。笑 やる気がないと思われますので、自己資金は融資額の10%程度は用意されるほうがいいでしょう。
僕は300万円に対して自己資金10万円にしたら、少し苦笑いされたので、30万円に変更しました。笑
無事に300万円という自分にとって大きな金額を融資してもらえたので、起業家としてレベルアップした気がして、自信がつきました。笑
資金繰り、収支計画書を自分で作成してみて、売上、利益、コストなど細かい数字もより把握できるようになったので、その点も良かったと思いました。
あと、こちらも一応お伝えしておきます。
事務所をバーチャルオフィスの住所にしていることは、公庫の方にとってマイナスの印象には全くなりませんでした。
むしろ事業の売上だけでなく、コスト面もしっかり向き合って対策していると評価された気がします。
起業して自由に働くことの喜び
起業をすると嫌な上司やお客様と付き合う必要がありません。
つまり、「付き合いたくない人」と付き合う必要がないのです。
人間関係がスムーズに楽しくなると、
ストレスから大幅に開放されます。
ストレスこそが現代の最大の大きな問題の一つだと思います。
もちろん、プレッシャー(=程よいストレス)が自身を成長させてくれることは間違いありませんが、必要以上のものは楽しい人生に必要がありません。
起業をするとストレスフリーになり、
かつ金銭的に余裕が出てくると、
人間関係、お金、時間と多くの自由を多くの自由を手に入れることができます。
働く場所や住む場所も選ぶことができます。
起業をすると売上や収益をあげることが大変ですが、
何にも代えがたい大きな自由を手に入れることができます。
いまは起業に必要な資金もほぼ必要なくなりました。
一度きりの人生を起業して謳歌しませんか?